
腰痛を引き起こす腰方形筋のトリガーポイント
腰方形筋のトリガーポイントによる痛みは、股関節や殿部といったお尻やその横の痛みや、仙腸関節という骨盤の中にある関節の周囲で起きる事があります。
一般的に言う腰痛よりは、やや下の位置にあります。
また、お尻の横の痛みを椎間板ヘルニアによる神経の症状と説明を受けた患者さんも多いと思われます。
この記事では、腰痛の原因となりうる腰方形筋の自己治療法である、セルフトリガーポイント治療の方法を解説します。
腰方形筋は、両側の下部肋骨と腸骨稜に付着する四角形の筋肉で、もちろん腰椎(腰の骨)にも付着しています。
この筋肉は、腰を曲げる動きの際に働く筋肉です。片側で働けば、腰を横に曲げるような動きとなります。
腰のあらゆる動きを制御する筋でありながら、咳やくしゃみなど強制呼気を補助する役目も持っています。
腰方形筋による症状
先ほど説明したように、腰よりは少し低い位置、骨盤周辺に痛みが出ます。
骨盤が痛いという方は、腰方形筋のトリガーポイントが原因かもしれません。
咳やくしゃみは鋭い刺痛をもたらし、動くのも億劫になるほどです。寝返りを打ったり、横たわる事もできない程の痛みを出す事があります。
時々、痛みは鼠径部と大腿全面(太ももの前)に痛みを感じる事もあります。
硬くなった腰方形筋は骨盤の動きを制限し、股関節周囲の筋肉(小殿筋)に新たなトリガーポイントを生じさせ、さらには坐骨神経痛の症状を引き起こすなど問題をより複雑化していきます。
腰方形筋の硬さを取り除かなければ、腰の骨や骨盤(仙腸関節)の位置をずらすような力が働き骨盤の捻じれを生み出します。また、片側の骨盤を高くして見かけ上の脚長差(左右の脚の長さの違い)を生み出す事もあります。
腰方形筋のトリガーポイントからの痛みは、一般的に脊椎の関節炎、椎間板、股関節の関節症と誤解される傾向にあります。
問題が大きくなれば、椎間板ヘルニアによる神経の痛み(坐骨神経痛)と間違われる事も多いです。
痛める原因
見かけ上の左右の脚の長さや腕の長さの違いは、腰方形筋のトリガーポイントを引き起こします。
多くの場合は、転倒や交通事故での損傷が引きがねとなります。
バランスを崩した状態で捻る、または物を持ち上げた場合もこの筋肉を痛める原因になります。
感情的なストレスによってもこの筋の緊張は高まるため、それが原因となっている場合もあります。
腰方形筋は横たわるとより簡単に収縮を確認できます。腰の骨と最下位の肋骨の間に、指か母指を押し入れると硬い筋の壁に触れる事ができるはずです。

セルフトリガーポイントによる治療方法
腰方形筋に痛みがある場合、いくつかの部位、特に腰椎と下部肋骨の付着部近くにトリガーポイントがある可能性があります。


壁にボールを押し付ける方法も、腰方形筋をマッサージするのに有効な手段となります。
壁に対して横向きに立ち、腕を身体から離して前方に出し、先ほど探した腰方形筋のトリガーポイントの位置にテニスボールを押し当てるようにします。

専用の指圧棒を使用する方法は下図の通りです。

痛めやすい筋肉なので、日頃からケアしておく事をお勧めします。
痛みが強くなると、自己治療が難しい筋肉です。
自己治療による処置が功を奏さない場合は信頼できる専門家の治療を受けて下さい。
