
慢性腰痛の原因になる下後鋸筋
下後鋸筋は腰部にある4つの腰骨と、下から4つ目までの肋骨に付着しています。腰骨と肋骨を繋ぐ筋肉です。
この筋肉は動作中に体重を支え、強制呼吸(意図的に強く息を吐く)を補助する機能があります。
前回のセルフトリガーポイント治療に関する記事で解説した脊柱起立筋と合わせて「腰痛の原因になりやすい筋肉」です。
この筋肉のトリガーポイントの痛みは、腎臓病のサインと間違われることがあります。
腎臓性の腰痛を確認する時に、肋骨の下側を叩いて痛み出るかを確認する検査があるのですが、この叩く位置が丁度先ほど説明した下後鋸筋の位置だからです。
この筋肉を痛めると筋の緊張を高めてしまい、体を前屈する動きや体を捻る動作を制限する傾向があります。
捻った時の痛み、前かがみで痛みが出る人は、下後鋸筋にトリガーポイントが発生していないかを確認してみて下さい。
下後鋸筋を痛める原因
この筋肉を痛めた場合の保護の方法ですが、背伸びをしすぎない事です。
善かれと思い、腰を目一杯伸ばす動き(仰向けで背伸びの動き)をして、ストレッチをする方がいますが、この筋肉のトリガーポイントが腰痛の原因になっている場合は、不適切な対処方法になってしまっています。
特に筋肉冷えている時は痛めやすいため、朝起きた時に、すぐに背伸びをする習慣が下後鋸筋を痛める原因になっている場合があります。
これが酷くなると、頭の上に手を伸ばす動きだけで腰痛強くなる方もいます。体が温まっていない状態で腰を目一杯伸ばすような動きは、この問題維持させてしまうので注意が必要です。
ベッドにも注意が必要で、体の反りに適応するようなマットレスが良いですが、柔らかすぎても腰の筋肉全てに良くない(もちろん下後鋸筋にも)ので注意して下さい。
下後鋸筋のセルフトリガーポイント治療の方法
専用の棒でも可能ですし、テニスボールを用いて壁に押し当てながらマッサージする方法も効果的です。

下後鋸筋のトリガーポイントがある位置は、周囲の腰の筋肉のトリガーポイントがある位置と近いので、下後鋸筋を探すのは少し難しいかもしれません。
しかし、圧痛(押された時の痛み)が出る場所が、治療すべきトリガーポイントになるので、わかりにくければ、図を参考にしながら感覚的により強く圧痛を感じるポイントを探せば問題ないと思います。

壁にもたれるようにテニスボールを押し当てて、より強く当たるポイントの上を小さく転がすように30秒程度を刺激したら、一旦、刺激を弱め、再度同じように繰り返し、これを5回程繰り返します。
試しにやってみて、腰痛が強くなってしまう場合は、間違った方法になっている可能性もあるので、この場合は、かかりつけや、信頼できる整体院の専門家に指導を仰いで下さい。
